2011年2月4日(金)「しんぶん赤旗」

国会説明求める国民に背

小沢氏“処分”で逃げる民主


 民主党は3日、臨時の役員会を国会内で開き、政治資金規正法違反罪で強制起訴された小沢一郎被告・元代表の処分について協議しました。小沢氏に近い議員を中心に処分の反対論が根強く、結論は持ち越しとなりました。そこには、国民が求める国会での説明責任に背を向け、「小沢切り」で事態を逃れようとする民主党の無責任ぶりが浮き彫りになっています。

 小沢氏の証人喚問について、菅直人首相は1日から続く衆院予算委員会で、「最終的には政治家自身が自分の責任で対処すべき問題だ」「国会のどういう場で説明すべきかは総理の立場で決めることではない」などと答弁し、本人に丸投げする姿勢に終始しています。

対応は不適切

 しかし、読売新聞(3日付)の世論調査では、小沢氏が「政治とカネ」の問題を国会で説明すべきだと思う人は実に85%に達しました。民主党の一連の対応が適切だとは思わない人も84%を占めました。菅首相や民主党の岡田克也幹事長にはこの声にどうこたえるかが突きつけられています。

 にもかかわらず、岡田幹事長は3日の臨時役員会後の会見で、小沢氏の説明責任が果たされていないことについて役員会で意見を言ったのかと問われ、「言っていない」と、問題にしなかったことを認めました。

 一方、役員会で主要テーマとなったのが、小沢氏の“処分”問題です。

 会合では民主党の過去の処分事例などを確認しながらそれぞれ意見を出し合いました。「何も処分しないというわけにはいかない」との意見と、「推定無罪」を主張し処分は裁判の後でもいいとの意見が交錯。結論は、次回以降の役員会に先送りとなりました。

身動き取れず

 終了後、岡田幹事長は「(意見は)必ずまとまると確信している」「いつまでも長引かせるわけにはいかない」と述べただけでした。

 ただ、厳しい処分を下せば、小沢氏支持派議員の反発は必至。「ねじれ国会」の下で2011年度予算案の関連法案を成立させるためには衆院の3分の2以上の賛成が必要で、小沢氏系議員が離反すれば不可能となります。説明責任に背を向け、“処分”でさえ党利党略を前に身動きが取れない状態となっています。

 菅首相は、4日の年頭記者会見の冒頭発言で「政治とカネの問題にけじめをしっかりつける年にしたい」と胸を張りました。その答えが、小沢氏国会招致の本人丸投げでは、国民の願いとの乖離(かいり)ははかりしれません。(藤川良太)





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