2011年2月1日(火)「しんぶん赤旗」
ビラ配布禁止は違憲
世田谷事件弁護団 最高裁に上告趣意書
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2005年に当時厚生労働省職員の宇治橋眞一さん(62)が「しんぶん赤旗」号外を配布したことが国家公務員法に違反するとして不当逮捕、起訴された世田谷国公法弾圧事件で、弁護団は31日、最高裁に上告趣意書を提出しました。支援団体も署名を提出しました。
同事件では昨年5月、一審に続き有罪の不当判決が出され、舞台は最高裁に移っています。
上告趣意書は、(1)国公法と人事院規則による国家公務員の政治活動の全面的禁止、刑罰規定は行き過ぎで、表現の自由を保障する憲法に反する(2)それらは外国と比べても禁止が行き過ぎており、国際人権規約など国際法にも違反する(3)宇治橋さんの配布行為は職務と関係ない時間、場所で行われたもので、処罰は不当―として、無罪判決を求めています。
両事件を支援する国公法共闘会議(労組、民主団体で構成)は、この日無罪判決を求める署名約4万2千人分を提出し、累計8万3千人に。同会議が国会内で開いた集会には、各地から95人が参加しました。
宇治橋さんは「なぜビラ配布で逮捕されなければいけないのか。公務員の職務と関係ない行為まで罰するのは異常です。20万署名を実現して最高裁に思いを伝えましょう」と決意表明。国公法弾圧堀越事件の堀越明男さん(57)は「公務員の政治活動を一律に禁止するのは違憲。公安警察の違法な捜査も許されません。(国公法を合憲とした1974年の)猿払判決を乗り越える判決を勝ち取りましょう」とのべました。
日本共産党の井上哲士参院議員、映画監督の大澤豊さんらがあいさつしました。
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