2011年1月22日(土)「しんぶん赤旗」
イレッサ和解協議を
首相面談迫る 薬害原告が宣伝
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薬害イレッサ訴訟原告団・弁護団は21日、内閣府を訪れ菅直人首相との直接面談を申し入れるとともに東京都内で早期全面解決を訴える宣伝をしました。28日の回答期限日まで1週間と迫ったなかで被告国や輸入販売元のアストラゼネカ社が和解協議の席に着くことを表明していないために緊急に取り組んだもの。
菅首相への申し入れ書は「薬害肝炎事件の検証・再発防止のための検討委員会の最終提言は予防原則に立脚した医薬品の安全確保の必要性が指摘されています。薬害イレッサ事件でもこの予防原則が不徹底だったと指摘するもので、国は真摯(しんし)に反省し再発防止を図ることが求められている」と強調。「面談して和解解決に積極的に取り組む決意を表明する」ことを要請しています。
原告団代表の近澤昭雄さんは「早期全面解決を図ってほしい。そして『和解勧告及び所見』の趣旨にそって薬害イレッサ事件の全面解決を図ってほしい」と訴えました。
早期解決を求め科学者会議声明
日本科学者会議・保健医療福祉問題研究委員会(牧野忠康委員長)は21日、「薬害イレッサ訴訟の早期解決を望みます」とする声明を厚生労働大臣とアストラゼネカ社に提出しました。
声明は「発売時点で十分な情報提供がされなかったことが、副作用死被害を拡大したことを、裁判所が認めたものです」と「和解勧告及び所見」を評価。「抗がん剤の副作用が副作用被害救済制度の対象から除外されている現状をあらため、副作用死の患者に対する補償を制度化する」ことを求めています。
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