2011年1月22日(土)「しんぶん赤旗」
被害者ら「命の過払い金を返せ」
武富士の責任追及を訴え
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サラ金大手「武富士」に過払い利息の全額返済を求めている「武富士の責任を追及する全国会議」は21日朝、最高裁判所前で宣伝を行いました。弁護士、司法書士をはじめ研究者、サラ金被害者ら15人が参加し、通行人にビラを配り、「命の過払い金を返せ!」と呼びかけました。
同日午後に開かれた武富士の武井俊樹元専務に関する税務訴訟の最高裁での弁論を前に取り組まれました。同訴訟は東京国税局が武井氏に贈与税など1330億円の追徴課税を通知したことに対し、武井氏側が取り消しを求めた裁判です。近く出される判決によっては、千数百億円が還付される可能性もあるといわれています。
宣伝で、同会議事務局長の及川智志弁護士は「武井氏に還付されようとしているのは、法的に払う必要のない利息を債務者からむしりとって得られた収益です。本来、過払いさせられた人にこそ返されるべきで、債務者を自殺や一家離散の惨劇に追い込んできた当事者に血税を還付するのは社会正義に反する」と訴えました。
東京地裁は昨年10月、武富士の会社更生法にもとづく手続きを決定しました。総額2兆円ともいわれる過払い金について、司法書士の菊池雅都氏は「返済を、総額のわずか2〜3%に抑える方向で、再建をはかろうとしている」と話しました。
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