2011年1月15日(土)「しんぶん赤旗」
薬害イレッサ
“国は和解協議を”
高橋議員激励 全面解決へ原告宣伝
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薬害イレッサ訴訟の原告団・弁護団は14日、東京・霞が関の厚生労働省前で東京、大阪両地裁が7日に出した和解勧告を受け入れて和解協議の席に着くように国に迫る宣伝行動に取り組みました。
次女を肺がん治療の抗がん剤「イレッサ」で亡くした原告団代表の近澤昭雄さんは「これまでのたたかいは助走でしたがこれからが全面解決へのスタートです。がん患者が良い状態で治療を受けられるかどうかはこれからのたたかいが左右します。国に和解のテーブルに着かせて話し合っていく」と決意を述べました。
弁護団事務局長の阿部哲二弁護士は「裁判所が出した所見は、承認審査を延ばせと言っているのではなく、分かっていた情報を患者や医師に届けるように述べている。国が所見の趣旨をねじ曲げてテーブルに着こうとしないのは許されない。全面解決まで要求し続ける」と訴えました。
支援に駆けつけた薬害肝炎東京訴訟原告団代表の浅倉美津子さんは「近澤さんはお嬢さんの無念を晴らすために頑張ってきました。つらいこともありながら頑張ってきた近澤さんに恩を感じています。国は和解のテーブルに着いてください」と涙で厚生労働省へ呼びかけました。
日本共産党の高橋ちづ子衆院議員が激励に駆けつけて「近澤さんらの命をかけたたたかいで国は断罪されました。真摯(しんし)に受け止めて二度と起こさないよう協議の席に着くべきです。抗がん剤の副作用死などについての救済制度の創設のために全力をつくします」とのべました。