2010年12月23日(木)「しんぶん赤旗」
原爆症 心筋梗塞を認定
「被爆影響 否定できぬ」
北海道訴訟 札幌地裁判決
心筋梗塞の発症は長崎での被爆によるものだとして浜田元治さん(68)が国に原爆症の認定を求めた「北海道原爆症認定訴訟第2部」の判決が22日、札幌地裁(古久保正人裁判長)であり、2005年に厚労大臣が認定申請を却下した処分を取り消し、原爆症と認定する勝訴判決が出されました。
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判決後の記者会見で弁護団長の高崎暢弁護士は「爆心地から2キロで被爆した心筋梗塞を原爆症として認定したもの。今まで厚労大臣は心筋梗塞に関して、1・4キロ以遠の被爆者の申請をすべて却下しており、画期的な内容」と評価。さらに、浜田さんの高血圧などの疾患や喫煙を指摘して心筋梗塞と原爆症との因果関係を否定する国の主張に対し、被爆の影響を否定することは相当ではないとする判決で「完全勝利を勝ち取った」と述べました。
原爆症・全国弁連事務局長の宮原哲朗弁護士は「今後の裁判にも大きな影響を及ぼす、全国的な意味を持つ判決」と強調しました。
浜田さんは「(原爆症認定で)救いを求めている人がまだまだいる。世の中から核兵器がなくなるまで頑張りたい」と語りました。
浜田さんの長女(45)は「体中からつゆを出して苦しむお父さんを見て、溶けてしまうのではないかと思ったこともありました。長生きをしてほしい」と目を潤ませていました。