2010年10月22日(金)「しんぶん赤旗」

新潟水俣病 和解合意

熊本合意から一歩前進

年内実現めざす


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(写真)和解協議で新潟地裁に向かう原告、弁護団ら=21日、新潟市

 新潟水俣病被害者が、原因企業の昭和電工(東京都)と国に損害賠償を求めた「ノーモア・ミナマタ新潟全被害者救済訴訟」の和解協議が21日、新潟地裁で基本合意が成立しました。

 基本合意は、国と昭和電工が加害責任を認めて原告被害者に謝罪するとともに、一時金で1人当たり210万円の支給、療養手当、療養費、団体加算金を支払うことや、水俣病患者の判定で第三者委員会を設置することなど、ノーモア・ミナマタ熊本訴訟の和解内容をふまえるとともに、患者会の切実な要求だった介護保険サービス利用料の負担軽減で、昭和電工が一部を負担(要介護者・月5000円、要支援者・月1500円)することが約束されました。

 同訴訟は、新潟水俣病阿賀野患者会の会員が10陣まで174人が提訴。新潟民医連が地域実態調査や住民検診で被害者の掘り起こしに協力してきました。

 報告集会で中村周而弁護団長は「熊本の合意をふまえて新潟の成果を積み上げた。最終和解に向け大きな一歩を踏み出した。介護保険負担軽減は十分な内容ではないが、今後も公的介護機関設置を要求していき、全被害者救済で努力していく」と述べました。

 中村洋二郎新潟水俣病共闘会議議長は「提訴から2年足らずで合意できたことは運動のたまもの。しかし運動をゆるめると国も昭和電工も腰が引ける。1人残らず水俣病患者と認められるよう、年内に和解を実現したい」と強調しました。

 阿賀野患者会の山崎昭正会長は「基本合意にこぎつけ、これまでの多くの支援に感謝したい。ここで一休みする訳にはいかない。年内解決をめざし、最後まで頑張ろう」と訴えました。


 新潟水俣病 水俣病は、メチル水銀に汚染された魚介類をたくさん食べ続けることによって起こる中毒性の神経系疾患。治療法は確立していません。新潟水俣病の発生源は、阿賀野川上流の昭和電工アセトアルデヒド生産工場の廃液。同工場は1959年ころから生産を急増し、65年に生産を停止するまで設備をフル稼働させて、公害を拡大しました。新潟水俣病の発生が確認されたのは、熊本で公式発見されてから9年後の1965年でした。





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