2010年9月28日(火)「しんぶん赤旗」
国有地に認可保育園
東京・世田谷 共産党の要求実る
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東京都世田谷区が、利用されていない国有地を借り受け、認可保育園として整備・活用していくことを明らかにしました。借り受けるのは同区内の北沢、太子堂の2カ所。いずれも駅から近く、定員120人程度、延べ床面積約900平方メートル、園庭約500平方メートルです。今年11月から民間事業者の選定を開始し、2011年4月以降に国との土地貸借契約を結び、12年4月に私立認可保育園として開園させる計画です。
同区の保育待機児は4月1日現在で725人と全国でも最悪の水準。区は2カ所とは別に、区立小・中学校の一部などを活用して認可保育園20園の整備も進めています。
同区で1歳2カ月の子どもを育てる母親(34)は「認可保育園がつくられるというのはすごいと思います。自分の子どもの入りやすいところではまだ足りないので、もっと認可保育園を増やしてほしい」と話します。
日本共産党区議団は同区に対して、繰り返し保育園整備を求め、国や東京都に保育園の土地を提供するように働きかけることを提案。同区も国、都に対し要望してきました。
国会でも日本共産党の小池晃参院議員(当時)が再三取り上げ、3月18日の厚労委員会では、移転した庁舎や公務員住宅の跡地などを保育所として活用できるよう、低価格での譲渡や賃貸などを求めました。これに対し国(財務省理財局長)は「前向きに検討したい」と答弁しました。
日本共産党の中里光夫区議は「これまでの私たちの要求が実現するのは評価しますが、借地賃貸料に関して区からは『民間なみ』と聞いています。幅広い区民のみなさんと力を合わせて、国に対して、賃貸料を引き下げるように求めていきたい」と話しています。
賃料引き下げ 引き続き要求
日本共産党の小池晃政策委員長の話 子育て支援のために、認可保育園の増設は緊急課題です。待機児の多い都市部では、土地取得の困難さが増設の最大の障害ですから、国の方針を、遊休国有地を“なるべく高く売る”ことから“住民のために活用する”方向に転換させたことは重要です。
日本共産党は、国有地の賃貸料の引き下げや無償譲渡を求めています。また、保育所だけでなく介護施設などにも活用できるように、遊休国有地の所在をすみやかに自治体や住民に周知することも、ひきつづき求めていきます。