2010年9月27日(月)「しんぶん赤旗」
“難病でも仕事続けたい”
就業支援モデルなど勉強会
「難病・慢性疾患を持つ人と就労の課題〜安心して働き続けられるために〜」をテーマにした勉強会が26日、東京都内で開かれました。主催は日本難病・疾病団体協議会(JPA・伊藤たてお代表)の「今後の難病対策」勉強会実行委員会で、17回目。
難病や慢性疾患を抱える患者にとって、生活上の大きな問題の一つに就労問題があります。「病気で職場の人たちに迷惑や負担をかけている」「病気のためキャリアや特技、特性を生かせない」など、病気の発症で仕事を辞めざるを得ないケースや就労を継続しても働き方を変えなければならず、新しい生活を余儀なくされることが多いといいます。
JPAの野原正平副代表は、国による就労支援が始まって10年、ハローワークでの支援が始動して5年足らずだと紹介しました。
難病就業支援モデル事業に携わり、順天堂大学医療看護学部で講師を務める伊藤美千代氏が講演しました。
伊藤氏は、難病患者の就労支援には、医療、生活、就労など多様な支援が統合されなければならない難しさがあると強調。「難病患者の就業支援は、当事者の人生再構築支援ととらえることが必要である。事業主、当事者を含めた人たちが、患者が働けることを理解し、能力を引き出していくことが今後の課題だ」と述べました。
参加者からは、「特別休業枠のようなシステムがあったら働きやすいと思う」「ハローワークでの難病患者への支援態勢はまだ十分とはいえないと実感している」など活発な意見が交流されました。