2010年9月10日(金)「しんぶん赤旗」
看護職増員・夜勤改善を
医労連 全国キャラバン開始
大幅増員と夜勤改善で安全・安心の医療・介護を実現しようと、日本医療労働組合連合会(日本医労連)の「いのちまもる全国縦断キャラバン行動」が9日、北海道と沖縄からスタートしました。
医療や介護の現場では、16時間以上に及ぶ過酷な夜勤や劣悪な労働条件のもとで離職者が後を絶たず、医療職場の半数を超える看護職員の7割以上が「慢性疲労」を訴えています。この中で、看護職員の絶対的不足が起こる、ベッド削減、病院閉鎖など「医療崩壊」の原因になっています。
「キャラバン行動」では、▽ILO看護条約にもとづき、看護師など夜勤交替制労働者を1日8時間、週32時間以内、勤務間隔を12時間以上とすること▽医療、社会保障予算を先進国(OECD)並みに増やし、医師・看護師・介護職員等を大幅に増やすこと▽国民(患者・利用者)の負担を減らし、安全・安心の医療・介護を実現すること―を掲げて、全国で自治体要請や宣伝行動などに取り組みます。
この日は、北海道と沖縄で道庁・県庁要請、街頭宣伝などが行われました。北海道医労連は今後、道内179自治体に要請を行う予定です。
北海道のスタート集会であいさつした日本医労連の田中千恵子委員長は、「多くの人が看護師を選んで良かった、働き続けたいと思っていますが、辞めざるを得ない。この状況では、患者の安全はもとより、日本の医療を守ることはできない」と指摘。職能団体も、労組の所属が違っても、いい看護をしたいという思いは同じだとのべ、「その思いを集めて、変えるのが今です。看護職が大同団結して運動すれば必ず変えることはできます」と力を込めました。
キャラバン行動は11月まで取り組まれ、17日に中央行動を行います。
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