2010年9月10日(金)「しんぶん赤旗」

大学運営費交付金

1割削減は死活問題

宮本議員 予算確保十分に


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(写真)質問する宮本岳志議員=8日、衆院文部科学委

 日本共産党の宮本岳志議員は8日の衆院文部科学委員会で、大学運営費交付金の1割削減問題をとりあげ、大学の運営を安定的に支える予算確保を求めました。

 宮本氏は、懇談した大学から「予算削減の中で、プールから水が漏れても、体育館の天井が壊れても修理ができない」「運営費交付金は6年間で37億円の削減。(さらに)1割削減となると対応できない」などの深刻な声がよせられていることを紹介。東京大学では1割削減したら85億6900万円が削減され、法学部、医学部などの8学部とその研究科の1年分の運営経費に相当する額(別項)だと訴えていることをあげ、「大学に壊滅的影響をおよぼす削減はあってはならないことだ」と迫りました。

 川端達夫文部科学相は、「運営費交付金は基盤的な経費で重要。1割削減の対象ではあるが、一律に全部切り込むものではない。来年度概算要求では324億円増とした」と答えました。

 宮本氏は、「それは政策コンテストという審査によって削減の対象となる特別枠884億円を含めたものだ。運営費交付金は、日常的運営に不可欠な経費で、取り合いをする性格のものではない。大学にふさわしく必要経費を積算し、総額を決定すべきだ」と指摘しました。

 川端文科相は、「要求だろうと、(特別枠となる)要望だろうと、いるものはいる。予算を勝ちとれるように全力をあげてのぞんでいく」と述べました。


東京大学における運営費交付金削減の影響

1割削減で85億6900万円が減額されると―。

▽法学部、医学部、工学部など8学部とその研究科の1年分の運営経費(物件費)に相当

▽医科学研究所、地震研究所、大気海洋研究所など、全11の研究所の1年分の運営経費(物件費)に相当

▽ニュートリノ研究の展開、地震・火山噴火予知研究計画など日本がリードする分野の事業の5年分の運営経費に相当

▽教員人件費の893人分に相当

▽学部学生授業料の60万円の値上げに相当(現行54万円→114万円(110%増)

(東大提供資料より)





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