2010年9月8日(水)「しんぶん赤旗」
看護職員増員・夜勤改善を
要求実現へ 医労連が全国交流集会
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看護職員の大幅増員で、命を大切にする安全でゆきとどいた医療を実現しようと、看護要求実現全国交流集会が7日、東京都内で開催され、全国から360人が参加しました。日本医療労働組合連合会(日本医労連)の主催です。
主催者あいさつした田中千恵子委員長は、看護師の過労死問題にふれ、看護の労働実態はあまりにひどいと指摘。「これでは患者の安全を守ることはできず、日本の医療を守ることができない」と語り、いま労働条件改善にむけて大きな運動で転換していく時期だと強調しました。そのうえで、9日から始まる「いのちまもる全国縦断キャラバン行動」で、看護師増員の大きな世論を広げていくことをよびかけました。
日本看護協会会長として初めて日本医労連の集会で久常(ひさつね)節子会長が記念講演をしました。
中野千香子執行委員は基調報告で、夜勤は有害業務だと指摘しながら、2交代夜勤が05年の8・3%から09年の17・6%に増加していると報告。看護師を大幅増員して、長時間労働、夜勤に規制をかけていくことが必要だと強調しました。そのために、200万人を目標に取り組む大幅増員と夜勤改善などを求める署名と全国縦断キャラバン行動の成功を訴えました。
職場からの報告で、全労災の代表は、06年12月に11年度から夜勤を月8日にするという協定を結んださい、地域、患者、家族での署名に取り組んだと報告。協定後、夜勤回数が増えるなどの実態に対しても粘り強く交渉し、3交代での「月8日」と回答させたと語りました。
北海道勤医労の代表は、地方の医療が深刻な実態になるもとで、地方から都市部に重症患者が入り、体力的、精神的にも限界にあると語り、全国縦断キャラバンの成功にむけた決意を表明。看護師増員の取り組みについて奈良県医労連の代表が発言。看護師不足の実態を明らかにしながら、病院や看護学校などを訪問して共同を広げ、看護協会とは毎年懇談していると報告。その中で、県による地域医療対策協議会の設置、院内保育所への補助金増額、小学3年までの受け入れに対する加算新設、奈良医大での医学部定員増を実現させたと語りました。
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