2010年9月8日(水)「しんぶん赤旗」
OECD加盟国 教育への公的支出
日本は最下位
GDP比3.4%
デンマーク7.8%
日本の公的教育支出が国内総生産(GDP)に占める割合は、先進工業国でつくる経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最下位になることが7日、同機構が発表した教育施策にかんする国際調査「図表でみる教育2010」で分かりました。
調査によると2007年の日本の教育への公的支出(奨学金を含む)はGDP比3・4%で、00年の3・6%から減少。加盟国平均の5・2%を大きく下回り、データの存在する加盟国では最も低くなりました。大学など高等教育への公的支出のGDP比は0・6%でした。
公的支出を除く教育への私費負担の割合は33・3%で、OECD平均の17・4%を大きく上回り、韓国・チリ・アメリカに次ぎ4位でした。
一方、日本の公立学校の1学級に在学する児童・生徒の平均人数(2008年)は小学校が28・0人で加盟では韓国・チリに次ぎ3番目に多く、中学校は33・0人で韓国に次いで2番目に多くなりました。OECD平均は小学校(初等教育)21・6人、中学校(前期中等教育)23・7人でした。
今回の調査結果には、10年度から実施された公立高校無償化などの施策は反映されていません。
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事態深刻 方向変えよ
教育評論家
尾木直樹さん
これまでも日本は、OECD諸国のなかで教育投資のGDP比が非常に低いといわれていましたが、今回、最も低い深刻な事態が明らかになりました。特に就学前と高等教育の私費負担が突出しています。
各国は、教育は「未来への投資」・ライフラインであり、子どもたちが安全に生きていくために必要不可欠なものと位置づけて支出を増やしています。日本は国際社会の流れに逆行しています。方向の転換が求められます。