2010年9月5日(日)「しんぶん赤旗」
権利条約の批准へ
制度改革の運動さらに
障害者協議会30周年 公開シンポ
障害者や家族らが参加する当事者団体などでつくる日本障害者協議会(JD・勝又和夫代表)は4日、日本社会事業大学(東京都清瀬市)で結成30周年を記念して、「すべての人の社会へ 国際障害者年から障害者権利条約実現への歴史・情勢・人間に学ぶ」と題した公開市民シンポジウムを開きました。
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JDの吉本哲夫副代表はあいさつで、JDは1980年4月、国際障害者年を成功させようと100以上の障害者団体が集まって設立したことを紹介。結成からの30年を振り返り、「今の政治状況では、当事者団体が意識を持って一丸となる必要を強く感じる」と述べました。
現在、政府内に障害者らが参加する「障がい者制度改革推進会議」で、国連の障害者権利条約の批准に向けて、障害者自立支援法廃止後の新法制定など制度改革の議論が展開されています。
コーディネーターを務めた日本社会事業大学の佐藤久夫教授は「これまでの30年、さまざまな障害者運動をすすめてきた。その流れの中で、『推進会議』もつくられた。制度改革の舞台をつくるには運動が欠かせない。今後も世論をつくり、政治家を動かす運動を続けないと『推進会議』の議論は、ただのガス抜きになりかねない」と運動の必要性を強調しました。
障害者団体のDPI日本会議の尾上浩二事務局長は、「障害者運動の歴史の流れは、『保護・更生から自立・権利へ』と、『施設・病院から地域自立生活へ』というもの。これをいつでもふまえて運動をすすめなければならない」と話しました。
JDの藤井克徳常務理事は「今後の運動の展開には、障害者権利条約や自立支援法違憲訴訟団と国が結んだ合意文書を広く認知してもらうことや貧困問題、高齢者や子ども分野の運動との連携などが必要になるだろう」と強調しました。
JDの顧問で元厚生省社会局厚生課長の板山賢治さんが発言しました。
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