2010年8月30日(月)「しんぶん赤旗」

入院患者

他院受診規制撤回を

保団連が決起集会開く


 全国保険医団体連合会は29日、東京都内で「入院中の患者さんの他医療機関受診の規制の撤回を求める決起集会」を開きました。

 4月の診療報酬改定で入院中の患者が専門的な治療が必要になり他院を受診する場合の取り扱いが大きく制限された問題で、安藤元博病院・有床診療所対策部長が基調報告しました。

 入院中の他院受診とは、例えば糖尿病で診療所に通院中の患者が転倒・骨折で入院となったとき、その病院には糖尿病の専門医がいないなどの理由でかかりつけ医から薬をもらうような場合をいいます。4月の改定で、入院中の患者が他院を受診した日は病院に払う入院料を減額する措置を一般病床にも拡大するなど新たな複雑な規制が設けられました。

 安藤部長は、「入院医療機関がすべての病気の治療を行うことは不可能です。他院への受診が制限されれば専門的な医療が受けられなくなり、病状の回復が遅れかねない」と、規制の撤回を求めました。

 各県の保険医協会から実態調査の結果などが報告され、「あってはならない規制」「医療抑制の悪質なやり方だ。合併症が増えているなかで、患者の基本管理と専門医療を有機的に進めることは当然のこと」など、批判の声が相次ぎました。

 坂本秀夫日本難病・疾病団体協議会常務理事があいさつし、「このような診療報酬の減額措置の積み重ねが医師や看護師、最後には患者へのしわ寄せとなって表れる」とのべ、共同のとりくみを訴えました。

 日本共産党は「患者・医療機関の双方に困難をもたらす不合理な取り扱いはすみやかに改めるべき」とのメッセージを寄せました。





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