2010年8月12日(木)「しんぶん赤旗」
奨学金無利子拡大ぜひ
「会」が政府要請 教育予算減らすな
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「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会(奨学金の会)」(会長・三輪定宣千葉大学名誉教授)は11日、文部科学省に教育予算に「1割削減」を適用しないことなどを緊急要請しました。
2011年度予算概算要求基準で、各省庁一律で前年度比1割削減が閣議決定されたのを受け、三輪会長は「仮に国立大学運営費交付金が1割削減されれば、1000億円以上の削減となる。削減分を授業料で補てんした場合、学生1人あたり年間20万円以上の値上げとなる。就職難のもと奨学金の返済が困難な若者も増えている。予算の拡充こそが求められている」と求めました。
日本学生支援機構労働組合の岡村稔書記次長は、運営費交付金は無利子奨学金の財源であり、文科省も奨学金は無利子が基本との考え方をとっていると指摘。無利子奨学金の希望者は増え続けてきたが、昨年は適格認定されながら、予算の関係で16万人が適格外になったと紹介しました。「無利子枠を拡大し、運営費交付金を1割削減の対象にしないでほしい」とのべました。
13年間大学の非常勤講師をしている男性は「昨年の年収は130万円。奨学金返済を猶予できないか相談したが、返還猶予期間の5年間を過ぎていたため却下された。滞納金も含め、年間60万円を払うことは困難。返還の意思はある。猶予してほしい」と訴えました。