2010年8月11日(水)「しんぶん赤旗」
虐待ゼロへシンポ
福岡 “情報の共有化を”
子どもの虐待ゼロを目指すシンポジウムが10日、福岡市内で開かれました。主催は同市やNPOで組織する市子ども虐待防止活動推進委員会。
社会的関心が高まるなか、750人の市民が参加。「虐待の問題は無関心が大きな敵になる」など、行政や医療、福祉の分野から出席したパネリスト7氏が、活発な意見を交わしました。
福岡市内では昨年9月以来、5件6人が虐待で死亡しています。 基調講演で子どもの虹情報研修センター研究部長の川ア二三彦氏は、実際に発生した児童虐待死の事例を紹介しながら、児童相談所への虐待通告など「あれっ、と思ったことがしかるべき所に届くことが大事だ」と述べ、「情報の共有化」を重視。「人とのつながり、人との関係が虐待を防ぐ大きな力になる」と語りました。
シンポジウムで発言した福岡市こども総合相談センターの藤林武史所長は、児童虐待が発生する危険要因として若年やDV、経済不安定などを指摘。「子育て困難な状況を的確に把握し、支援を提供することが必要だ」と述べました。ほかのパネリストからも、今後の課題として「早期発見・早期支援の仕組みを充実させていくことが必要」などの意見が出されました。
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