2010年6月11日(金)「しんぶん赤旗」
大企業減税の穴埋めに消費税大増税
こんな身勝手 許されない
志位委員長が札幌で訴え
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日本共産党の志位和夫委員長は10日、札幌市の月寒(つきさむ)ドームで演説し、大門みきし参院比例候補らとともに、目前の参院選での必勝を呼びかけました。志位氏はこの中で、新たな内閣のもとで重大な焦点の一つとなっている税制と財政の問題に言及しました。
この問題をめぐっては、日本経団連が4月に発表した「成長戦略2010」で、「消費税率を一刻も早く引き上げ」、法人実効税率を「早期に引き下げる」ようあからさまに求めています。
志位氏は「『財政再建』のツケをすべて国民に押し付けたあげく、自分たちの負担をもっと減らしてもらう。こんな身勝手な話はありません」と厳しく批判しました。
ところが、民主党政権の経済産業省が6月に発表した「産業構造ビジョン」では、財界いいなりに来年度からの法人税減税が打ち出され、菅政権の閣僚は、我も我もと消費税増税議論の必要性を説いています。
志位氏がこのことを指摘し、「大企業減税の穴埋めに消費税の増税――、これには断固として拒否する声をあげようではありませんか」と訴えると、会場いっぱいの力強い拍手がわき起こりました。
では、社会保障の財源はどうするのか。志位氏が「5兆円の軍事費の抜本削減を」「米軍向け予算は全廃すべきだ」と訴えると、「そうだ!」の声と大きな拍手が続きました。志位氏はさらに、大企業・大資産家に世間並みの負担を求めるという解決策を力説しました。
財界・大企業は、口を開けば「国際競争力」といいます。そこで志位氏が、(1)国際金属労連によると日本の自動車産業の労働者の賃金は米国の2分の1、ドイツの3分の1(2)昨年12月の政府の資料によると日本の大企業の税金と社会保険料はドイツの8割、フランスの7割だ――と述べ、「『国際競争力』を言う前に世間並みの賃金を払え。世間並みの税金と社会保険料を払え」と訴えると、割れるような拍手が起こりました。