2010年6月4日(金)「しんぶん赤旗」
医療 派遣は原則禁止
参院厚労委 小池議員に厚労相
労働者派遣が原則禁止されている医療業務を、派遣期間制限のない「専門26業務」に加えようという動きがあるなか、長妻昭厚生労働相は、派遣禁止を変える考えのないことを表明しました。1日の参院厚生労働委員会での日本共産党の小池晃議員の質問に答えたもの。
「専門26業務」については、「事務用機器操作」など専門的知識を必要するとは思えない業務が含まれていることが問題になり、厚生労働省による見直し作業が行われています。これを逆手にとって、新たな業務を「専門業務」に加えようとする動きが一部にあります。
民主党の初鹿明博議員は衆院厚労委で「介護とか看護とか人材不足の分野が『専門』に入っていない」と見直しを要求(4月23日)。2月の厚労省の政策会議でも同様の意見が出されていました。
小池氏が質問でこの問題を取り上げ、医療業務への派遣禁止の理由をただしたのに対し、森山寛職業安定局長は「医師、看護師など連携したチーム医療が必要なのにその支障になること、生命にかかわるので慎重さが必要なこと」と述べました。
その上で小池氏が、「医療業務を労働者派遣の適用除外とする立場は変わらないか」とただすと、長妻厚労相は、「医療業務は労働者派遣の禁止業務。考えを変えるつもりは現時点ではない」と述べました。
小池氏は、「専門業務は絞り込むべきで、新たな業務への拡大は許されない」と重ねて強調しました。
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