2010年5月21日(金)「しんぶん赤旗」
「北朝鮮の魚雷」と断定
韓国艦沈没で合同調査団
韓国軍の哨戒艦「天安(チョンアン)」の沈没原因を調査してきた韓国の軍民合同調査団は20日、「北朝鮮製の魚雷による水中爆発で沈没した」とする調査結果を発表しました。
発表文によると、調査団は、魚雷の動力部のプロペラなどを回収。部品の内側にハングルで「1番」と書かれているのを発見しました。これらの部品は、北朝鮮が輸出用に作成したパンフレットに掲載された魚雷の設計図と一致したといいます。
調査団に参加する米、英など5カ国の情報分析チームが、事件前後に北朝鮮の小型潜水艇が活動していたことを確認。調査団は、「(魚雷が)北朝鮮の小型潜水艇から発射されたとする以外、説明できない」と結論づけました。
北朝鮮の国防委員会は同日、調査結果は「捏造(ねつぞう)だ」とする声明を発表。「制裁措置に対しては、全面戦争を含む強硬措置でこたえる」と警告しました。また、北朝鮮が派遣する「検閲団」に証拠を提示するよう求めました。
国連の潘基文(パンギムン)事務総長は19日、調査結果について「非常に憂慮すべきものだ」と述べ、事態の推移を注視する考えを示しました。
哨戒艦「天安」沈没事件 韓国の哨戒艦「天安」(1200トン)が3月26日夜、韓国側が海の軍事境界線と位置づける北方限界線(NLL)近くで沈没した事件。搭乗員104人中46人が死亡しました。犠牲者の多くは10〜20代の青年でした。「天安」は、海上警戒や対潜戦などを目的に1987年に建造、89年に就役。
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