2010年5月8日(土)「しんぶん赤旗」
中朝首脳
6カ国協議推進で一致
関係国に努力求める
【北京=山田俊英】中国外務省と中国共産党対外連絡部は7日、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)朝鮮労働党総書記が3日から7日まで中国を非公式訪問し、胡錦濤国家主席(中国共産党総書記)と会談したと発表しました。両首脳は朝鮮半島非核化を実現するため6カ国協議推進に努力することで一致。金総書記は協議再開の条件づくりに前向きな姿勢を示す一方、他の関係国にも努力を求めました。
発表によると、両首脳は「朝鮮半島の平和、安定、繁栄が中朝と北東アジア各国の共同利益だ」との認識を示しました。その上で「(2005年の第4回6カ国協議で採択された)9月19日共同声明の立場に基づいて半島非核化の目標実現にともに努力する」ことを確認。「関係国が6カ国協議のために誠意を示し、協議の過程を推進するため積極的に努力すべきだ」との考えで一致しました。
金総書記は「朝鮮半島非核化の立場を堅持することにいかなる変化もない」と強調し、6カ国協議に対する中国の貢献を称賛。「関係国と一緒に6カ国協議再開に有利な条件をつくり出したい」と述べ、6カ国すべての努力が必要だとの認識を示しました。
両国関係については、胡主席が要人の往来や内政・外交での意見交換など5項目を提案しました。金総書記はこれに同意するとともに、両国国境の鴨緑江大橋建設に合意したことを喜び、中国からの投資を歓迎。胡主席が都合のよい時期に訪朝することを招請し、胡氏は快諾しました。
金総書記は呉邦国・全国人民代表大会常務委員長、温家宝首相とも会談しました。温首相は中朝国境地帯でのインフラ建設など経済協力を拡大する方針を伝えました。習近平国家副主席ら中国共産党政治局常務委員6人も会談に同席しました。
金総書記の訪中には金永春(キム・ヨンチュン)人民武力相、崔泰福(チェ・テボク)労働党書記、姜錫柱(カン・ソクチュ)第1外務次官らが同行しました。
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