2010年4月25日(日)「しんぶん赤旗」
流域壊すダム乱造
豊川・設楽 環境影響調査を
市田議員
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市田忠義議員は20日の参院環境委員会の環境影響評価法改正案の質疑で、愛知県・豊川の設楽(したら)ダム建設計画の中止を要求しました。
市田氏は、同ダムの貯水量の65%が通常は活用に至らない過剰容量となる異常な計画だと指摘。現状でも豊川総合用水事業の供給余力が1億トンを超えており、建設費用が2070億円にものぼる新たなダムは「まったく必要ない」と主張しました。
市田氏は、7漁協連名による建設反対の意見書に言及。ダムが乱造されてきた同水系の上流では、「アユ釣りのメッカ」の宇連川の遊漁券販売数が1990年の6016枚から激減し、05年にはついにゼロとなり、漁協幹部も「これ以上ダムをつくれば流域全体がダメになる」と訴えていることを示しました。
ダム建設予定地では、絶滅危ぐ種のネコギギ(ナマズ目)やクマタカなど180種以上の貴重な動植物が確認されています。また、ダム湖での砂の堆積(たいせき)が三河湾の干潟や浅瀬の消失を招く懸念もあり、愛知県漁連や日本海洋学会が同湾への影響を調査するよう求めています。
市田氏は、環境影響評価方法書の縦覧方法にも問題点が多く、住民や漁業関係者の意見がほとんど反映されていないと批判し、同湾を含む流域全体への影響を調査するよう要求しました。
小沢鋭仁環境相は、「市田委員の指摘であれば、省としても、私としても、もう一回検討し、その後判断させていただきたい」と約束しました。