2010年4月21日(水)「しんぶん赤旗」

米軍優遇 背景に密約

米兵身柄引き渡し問題追及

井上議員


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(写真)質問する井上哲士議員=20日、参院外交防衛委

 日本共産党の井上哲士議員は20日、参院外交防衛委員会で、罪を犯した米兵が公務中かどうか不明確であっても身柄を米側に引き渡すという米軍優遇の運用がされている問題をとりあげ、背景に日米の密約があると追及しました。

 米軍関係者の犯罪については、公務中でない場合は日本側に第1次裁判権があります。公務中であると「明らかに認めたとき」は被疑者を米側に引き渡さなければならないとされています(安保刑事特別法11条)。ところが実際には、公務中か疑問の場合にまで被疑者を米側に引き渡しています。

 井上氏がこうした運用の根拠をただしたのに対し、法務省の甲斐行夫大臣官房審議官は、「日米合同委員会の合意だ」と答弁。「11条で書いているのは、明らかに公務中と認められる場合だ。公務中かよくわからないときは合意事項による」との認識を示しました。

 これに対し、井上氏は、1954年に法務省刑事局が発行した『外国軍隊に対する刑事裁判権の解説及び資料』(部外秘)では、「(公務中と)明らかに認められない間は、直ちに(米側に)引き渡すべきではなく、刑事訴訟法の手続きによって処理される」と明記していることを指摘。日米「合意事項」により、法律に反する取り扱いが行われていることを批判しました。

 その上で、こうした取り扱いの背景には日米の密約があると指摘。53年の日米合同委員会の非公開議事録では、日本代表が、「(米兵の)法違反者が日本の当局により身柄を保持される事例は多くないであろう」と声明しており、この密約を保証する仕組みが「合意事項」だと指摘しました。





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