2010年4月17日(土)「しんぶん赤旗」
風力発電など促進補助金
300億円 民間丸投げ
経産省「どこに、いくら」闇の中
質問主意書 紙議員ただす
風力発電などの「新エネルギー」を導入する民間事業者への政府の補助金が2009年度から「外部委託補助金」として社団法人「新エネルギー導入促進協議会」(NEPC、東京都豊島区)に丸投げされていたことが16日、明らかになりました。申請件数や補助金額も非公表になっていましたが、日本共産党の紙智子参院議員の質問主意書にたいする答弁書で、政府(経済産業省)は同協議会に適切な情報開示を行うよう指導することを明らかにしました。
新エネルギー導入促進の補助金交付は、08年度までは民間事業者を介することなく、経産省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が行っていました。資源エネルギー庁によると、09年度の民間事業者への補助金は約300億円。(図参照)
紙議員は、質問主意書で「これまで風力発電の補助金交付決定を行っていた経産省は、審査委員名簿を非公表とするなど、風力発電は以前から交付決定過程の透明性が低かったが、交付決定が民間事業者に委託されたことで、情報公開が後退していることは問題だ」と指摘。「NEPCは個別、設備別ともに、その申請件数及び補助金額を公表していない。民間事業者に仲介・交付させる仕組みに変えたのはなぜか」とただすとともに、間接補助事業を改め、政府・NEDOが直接行うよう体制の見直しを求めました。
答弁書は、個々の情報の公開・非公開の取り扱いについては、経産省としてNEPCにたいして適切な情報開示が行われるよう指導すると表明しました。
紙議員は、民間事業者「日本風力開発」がNEPCから補助金を受け北海道小樽市の銭函海岸に建設を計画している巨大風力発電施設をめぐって、住民説明会の議事録や環境影響評価の結果などの情報開示を求めても、同社が開示を拒んでいることを示し、非開示のまま補助金を交付するのは「適切か」と指摘。答弁書は「民間事業者による第三者への個々の対応の適切性について、お答えするのは差し控えたい」としつつ、「風力発電の設置は、地元の住民の理解を得た上で実施されるべきと考えており、申請者と地元住民の協議の実施を求めている」と回答しました。
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