2010年4月3日(土)「しんぶん赤旗」
客室乗務員また削減
日航 「転勤か退職を」
大阪 福岡の560人 9日までに決断迫る
高橋議員 是正指導要求
「国民の信頼を取り戻すため最前線で頑張っている客室乗務員を大切にできないで、何が『日航再生』か」―日本共産党の高橋ちづ子議員は2日、衆院厚生労働委員会で、会社更生法で「再生」をめざしている日本航空(JAL)の乱暴なリストラ計画を批判、国として指導・監督するよう強く求めました。
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計画は、全国4空港にある客室乗務員の勤務拠点のうち大阪(伊丹)、福岡を6月末に閉鎖して、羽田、成田に集約するというもの。3月9日に発表され、日本航空インターナショナルの客室乗務員に、今月9日までに転勤か早期退職かを決定するよう迫っています。大阪勤務の客室乗務員は約500人。福岡勤務は約60人です。
高橋氏は、「子育てや親の介護を抱えているのにどうしたらいいのかという悲鳴が起こっている」と指摘。少なくとも、4月9日の回答期限の延長を国土交通省として指導するよう求めました。
長安豊政務官が「労資協議で決まること。国交省としては意見を差し控える」と答弁したのに対し、高橋氏は「JALの会社更生法をリードした国交省が、労資の問題として済ますのはおかしい」と迫りました。長安政務官は「国土交通省としても注意深く見守る」とのべました。
高橋氏は、転勤が困難な女性を狙い撃ちにした事実上の整理解雇だと批判。会社更生中でも、労働法令、育児・介護休業法が有効であることを政府に認めさせた上で、乱暴なリストラを許さないため国が役割を果たすよう重ねて求めました。
質問を20人近い客室乗務員が傍聴しました。「狭心症の父のそばにいようと12年前に希望して大阪に勤務しました。両親に心配をかけられないので、リストラ計画を話せないでいます。客室乗務員だけを対象にし、狙い撃ちにした計画をやめさせたい」「労働現場の声を代弁しきちっと言ってくれた質問だ」と話していました。