2010年3月17日(水)「しんぶん赤旗」
外国人研修 死者が急増
仁比議員 人権侵害 調査を要求
参院法務委
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日本共産党の仁比そうへい議員は16日の参院法務委員会で、外国人研修生らに対する「奴隷労働」ともいうべき酷使の実態を告発し、政府の姿勢と対応を厳しくただしました。
仁比氏は、1992年度〜2008年度の17年間に死亡した外国人研修生・技能実習生が214人(うち21人が自殺)に達し、08年度は過去最大の35人が死亡(うち2人が自殺)したとの統計を示し、「建前は研修、技能移転だが、現場の深刻な人権侵害と奴隷労働がこうした事態を生んできたのではないか」と指摘。脳・心疾患の発生率が同世代の日本人の約2倍だとする関係機関の説明も示し、死亡実態の綿密な調査と調査結果の公表を要求しました。
田内正宏法務省入国管理局長は、研修や実習との因果関係が疑われる死亡事故の速やかな調査と厳正な対応を行うと答弁しました。
また仁比氏は、外国人研修生の1次受け入れだけで2000機関、2次受け入れでは3万機関に上るなか、多くの悪らつな機関が潜在している可能性を指摘。入国管理局と労働基準監督署による合同抜き打ち立ち入り調査の実施に加え、「いく人か」しかいない地方入管の研修・技能実習担当審査官の増員を迫りました。
千葉景子法相は、「大変重要な指摘だ」として合同抜き打ち調査実施の検討を約束。来年度から担当者を23人増員するものの、到底十分ではないと認め、「増員の方向を考えていかなければいけない」と答弁しました。