2010年3月15日(月)「しんぶん赤旗」
B型肝炎 国は救え
原告ら宣伝「和解協議参加を」
集団予防接種でB型肝炎に感染した問題で札幌地裁が和解勧告を出したことから全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団は14日、札幌、東京、大阪など12カ所で早期全面解決を求める署名と宣伝活動に取り組みました。
東京・有楽町マリオン前では東京訴訟原告団・弁護団や支援者たちが「1分足を止めて署名してください。私たちの命は待てないのです」と、声をからして訴えました。
約1時間で152人が署名に応じました。
神奈川県茅ケ崎市の男性(46)は「力になれることは署名することだと思いました」と訴えに応じました。「厚労相はすぐ対応すべきなのに動こうとしていませんね。苦しんでいる人が目の前にいるのに助けない。基本的におかしい」といいます。
埼玉県志木市の女性(61)は、C型肝炎でインターフェロンの治療をしています。「他人事ではありません。応援しようと署名しました。ここからが勝負だと思います。広くもれなく救済されるべきです」と、署名簿を持ち帰りました。
「薬害肝炎問題と同じで何人死んでしまうか心配です」と、母娘と一緒に署名した川崎市の女性(52)。「血液製剤を投与されたことがあって、HIV(エイズウイルス)検査をしたことがありました。幸い感染していませんでしたが、B型肝炎問題も根っこは同じです。国の失政です。若い人にも知ってもらいたいですね」と話していました。
福岡でも救済訴え
全国B型肝炎九州訴訟原告団と弁護団、支援者も、福岡市中央区天神で、国が和解勧告に応じ、患者を速やかに救済するよう訴え、署名を呼びかけました。
弁護団の小宮和彦弁護士は「国がわずかな費用や手間を惜しんだことで、多くの被害が発生した」として救済を怠ってきた国を告発しました。
九州原告団長の谷口三枝子さん(60)は「患者は、長い間、差別や偏見、病状悪化への不安、母子感染、治療費の負担に苦しめられてきた。国は札幌地裁の勧告に従い和解協議に応じてほしい」と訴えました。
昨年、医師から肝臓がんで余命3年と宣告されたという男性(63)は「患者は、国の政策の誤りで感染し、病気への差別によって人生を変えられてきた」と述べ、患者救済への決意を語りました。
福岡市内の学生でつくる「学生支援の会」(オレンジサポート)もプラカードなどを持って市民に救済を呼びかけました。