2010年3月9日(火)「しんぶん赤旗」
NTT
“50歳定年”98%子会社へ
山下議員 退職強要の違法追及
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“賃下げを伴う子会社への転籍か、遠隔地への異職種配転か”。政府が株の3分の1を保有するNTTで50歳を迎えた労働者に突きつけられている「究極の選択」―。日本共産党の山下芳生議員は8日の参院予算委員会でNTTの違法行為を明らかにし、中止させるよう政府に厳しく求めました。
山下氏はNTTでは2002年以降、50歳になった労働者が、60歳まで働きつづける(60歳「満了型」)か、それとも3割もの賃下げをともなう子会社への転籍で、60歳以降も継続雇用される(「退職・再雇用」)か、どちらかの選択が迫られていると指摘しました。
総務省・桜井俊総合通信基盤局長は2002年の制度開始以来、退職・再雇用が5万4460人、NTTへの残留が1190人で、09年までの累計ではそれぞれ9万1330人、2020人と、残留はわずか約2%にすぎないことを初めて認めました。
山下氏は50歳になった労働者の9割以上に対する事実上の「50歳定年制」だと強調。高年齢者雇用安定法が「定年は、60歳を下回ることができない」と規定していると指摘し、「違反ではないか」とただしました。
厚労省側は「実態として、60歳未満で退職を強制する事実が認められる場合は高年齢者雇用安定法8条に違反する」と認めました。
山下氏は、“強制退職”の仕組みとして、たとえば埼玉では課長や支店長から8回もの執拗(しつよう)な退職勧奨が行われ「(『満了型』なら)東北へ単身赴任」など脅迫まがいのことが行われていると告発。「違法行為であり、やめさせるべきだ」と迫りました。
長妻昭厚労相は「退職強要が違法とされた判例もある。法令、判例の周知啓発に努めていくと同時に、必要があれば関与もしたい」と答弁しました。
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