2010年2月28日(日)「しんぶん赤旗」
米韓外相
6カ国“新行程表”協議
再開へ「進展の兆しある」
米国のクリントン国務長官と韓国の柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商相は26日、ワシントンで会談し、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の再開に向け、新たなロードマップ(行程表)などについて協議しました。クリントン長官は会談後、協議再開へ「進展の兆しがある」と述べました。(面川誠)
韓国外交通商省の発表によると、両氏は「北朝鮮の後戻りのない非核化措置と、それに相応した5カ国による(北朝鮮への)政治・経済的な措置の一括妥結方式について、関係国との協議を通じて具体化させていくことで合意した」といいます。
「一括妥結方式」は、2005年9月19日の6カ国協議で採択された合意内容を短期間で履行することをめざし、過去の協議で合意されたものに代わる新たな行程表をつくろうという提案。韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が「グランドバーゲン」と名付けて関係国に具体化を呼び掛けてきました。
韓国各メディアによると、新たな行程表づくりの最大の焦点は、北朝鮮の完全な非核化と朝鮮戦争の休戦協定に代わる平和協定の締結をどのように並行させるかという点。北朝鮮に対する国際的な制裁をどの時点で解除するかも焦点の一つです。
米韓外相会談は、当面は北朝鮮に対し「対話と制裁を並行させる」ことで合意。平和協定については、「非核化が進展すれば別途、適切な場で協議を始めるという9・19共同声明の原則に基づき、まず北朝鮮が6カ国協議に復帰すべきだ」という立場で一致しました。
北朝鮮は6カ国協議再開前に、昨年12月のボズワース北朝鮮政策担当特別代表の訪朝に続く米朝2国間の高官協議を求めています。これについて米韓外相会談は、「6カ国協議再開に直結すると確信できる場合には、米朝協議を検討できる」との立場を確認しました。
韓国各メディアによると、6カ国協議の議長国・中国は米朝間の溝を埋めるため、「非核化が具体的にどこまで進めば平和協定の論議が可能になるのか」を米国と話し合うなど、6カ国協議再開に向けた仲裁を進めているといいます。
6カ国協議 北朝鮮の核問題解決のために北朝鮮、韓国、中国、日本、米国、ロシアの6カ国が2003年に開始。議長国は中国。05年9月19日の共同声明で北朝鮮の非核化、米朝・日朝国交正常化、朝鮮半島の平和体制、北朝鮮への経済・エネルギー支援などを明記。08年12月に中断。09年4月に北朝鮮が離脱を表明しています。
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