2010年2月26日(金)「しんぶん赤旗」
卒業前中退生徒生むな
衆院委 宮本氏、修学支援求める
「卒業を目の前にして、学費が払えないからと中退の危機にさらされている生徒を救う緊急策が必要だ」―日本共産党の宮本岳志議員は24日、衆院文部科学委員会で政府に迫りました。
宮本氏が、社会福祉協議会を主体に行っている教育支援基金の貸し付け対象を、授業料以外に生徒から徴収する施設設備費などにも広げることを求めたのに対し、厚生労働省の清水美智夫社会援護局長は「それを払わなければ卒業できないという費用は貸し付け対象にする」と答弁しました。
宮本氏が「貸し付けの審査に1カ月かかる。これでは卒業に間に合わない」と改善を求めたのに対し同局長は、「卒業に間に合うように迅速な審査を社会福祉協議会に求めた」と答弁しました。
また宮本氏は、国の高校生修学支援基金について、地方自治体が基金を取り崩して減免対象を拡充しようとすると、取り崩し分の2分の1が自治体負担になることを指摘。「これが自治体に二の足を踏ませることになっている」と、自治体負担をなくすことを求めました。川端達夫文部科学相は「制度拡充へ関係当局と引き続き協議したいが、現段階は今の制度の周知徹底で対応する」と述べました。
宮本氏が重ねて、「経済的理由で卒業証書を受け取れなかったという生徒を出してはいけない」と迫ったのに対し、川端文科相は「ご指摘の事態が起こらないよう万全を尽くす」と答えました。