2010年2月24日(水)「しんぶん赤旗」
東京高裁
「君が代」解雇裁判控訴審
原告側の控訴を棄却
卒業式の「君が代」斉唱時に起立しなかったことは職務命令違反だとして定年後の再雇用を取り消され、事実上解雇された元東京都立高校の教員10人が、都を相手に教員としての地位確認などを求めた裁判の控訴審判決が23日、東京高裁でありました。奥田隆文裁判長は請求を棄却した一審東京地裁判決を支持、原告側の控訴を棄却。原告側は不当判決だとして上告する意向を表明しました。
判決は、「職務命令に基づき他の参加者とともに国旗に向かって起立し、国歌を斉唱するという外部的行為を求めることが、直ちにその思想および良心それ自体を否定することになるものではない」として、職務命令は思想・良心の自由を保障した憲法19条違反と認めませんでした。
都教委の出した通達(10・23通達)についても、教育に対する「不当な支配」には該当しないとしました。
原告らは判決後の記者会見で、「このような不当判決に強く抗議の意思を表明する」とした「声明」を発表。「憲法の番人としての裁判所の役割を放棄したと評せざるを得ない」と批判しました。