2010年2月24日(水)「しんぶん赤旗」

子育て環境整備と合わせ

高橋議員主張 子ども手当法案審議入り


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(写真)子ども手当法案について質問する高橋ちづ子議員=23日、衆院本会議

 衆院本会議で23日、中学生以下の子ども1人当たり月額1万3000円を支給する子ども手当法案の趣旨説明と質疑が行われ、日本共産党の高橋ちづ子議員が質問しました。(質問

 高橋氏は、同法案が民主党が政権公約のトップに掲げた“目玉政策”であるにもかかわらず、与党は首相が答弁する重要広範議案にしなかったことについて「きわめて無責任だ」と批判。同時に、法案が2010年度に限ったものであり、財源や地方負担のあり方など制度の根幹にかかわる問題をすべて先送りしていると指摘しました。

 その上で、貧困と格差の拡大が子育て世代に深刻な打撃を与えていること、保育所の増設や義務教育の完全無償化など、子育ての土台を整備することとあわせてこそ、子ども手当の効果が出ることを強調しました。長妻昭厚労相は「バランスよく組み合わせたい」と述べました。

 高橋氏は法案について具体的に、11年度以降は満額支給になるのか、給食費や税金の滞納世帯について、子ども手当と相殺することはないのかとただしました。

 長妻昭厚労相は満額支給について「11年度予算編成過程において財源のあり方を含めて政府で決定する」と述べ、滞納についても、相殺しないとは明言しませんでした。

 高橋氏は財源について「増税と抱き合わせになっている」ことを批判。扶養控除の廃止・縮小による増税だけでなく、保育料なども連動して負担増になることを指摘して、その対策をただしました。

 菅直人財務相は「各府省により、措置が講じられるものだと考えている」と述べるにとどまりました。

 高橋氏は、大企業や高額所得者への応分の負担や軍事費の削減などを検討することが必要だと強調し、そうした論議を通じて「真に安心安全な子育て社会をつくる方向をめざすべきだ」と強く求めました。


保育所設置基準

撤廃方針を再言明

 原口一博総務相は23日の衆院本会議で、国による保育所の設置基準について「中央で全部決めてそれを地方に押し付けてきた基準等を、地方自治体みずからが決定し、最適なサービスを実施できるように改める」と述べ、撤廃する方針を改めて表明しました。日本共産党の高橋ちづ子議員に対する答弁です。

 高橋氏は設置基準について、原口総務相が「最低基準がずっとあっていいのか」(16日、衆院本会議)と発言したことを批判。「(設置基準を)撤廃するなら保育の質の低下をもたらし、子どもの安全も脅かされかねない」と中止を求めました。

 長妻昭厚労相も高橋氏の質問に対し、「(保育所面積の最低基準の撤廃は)待機児童の解消を図る観点から、東京など一定の地域についての一時的な特例措置」と表明し、水準が下がるおそれのあることを事実上認めました。



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