2010年2月22日(月)「しんぶん赤旗」

実態反映した政策を

障害者センターがセミナー


 民主党政権の障害者施策に対する評価や運動をめぐって、NPO法人日本障害者センター(吉本哲夫理事長)が21日、東京都内でセミナーを開きました。100人が参加。「政権の出方待ちでなく、当事者の実態を政策に反映させよう」と話し合いました。

 民主党政権は障害者自立支援法を2013年8月までに廃止する予定です。政府は障がい者制度改革推進会議をつくり、総合的福祉法の制定をめざして議論を進めています。

 障害が重いほど本人負担も重くなる応益負担を導入した障害者自立支援法を違憲として裁判をたたかう訴訟団と新政権が基本合意を結んだことで、同法は廃止されることに。セミナーでは合意に対する評価と今後の運動が話し合われました。

 合意について、社会保障総合研究センターの三成一郎氏は「社会保障運動全体の発展にも寄与する画期的な成果」と指摘しました。民主党政権については「憲法にもとづく社会保障の理念・原則、将来ビジョンがない」と批判。また、社会保障財源として大企業に欧州並みの財政負担を求める重要性を、データをもとに語りました。

 NPO法人大阪障害者センターの井上泰司氏は「自立支援法の違憲性に対する政府の『共感』や応益負担導入への反省を文書にしたことは良かった」と述べました。一方で、「今回譲歩したものの、新政権は『構造改革』路線を続けている。『人権』を基調に、実態を推進会議にもちこみ、具体的な解決策の提案を」と訴えました。

 訴訟原告の家平悟氏は、政府との交渉過程を報告しました。合意後、非課税世帯の福祉サービスなどは無料となるものの、医療費負担は存続し、課税収入のある家庭の障害児・者はまだ応益負担のままだと述べ、「運動は続く」と話しました。



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