2010年2月21日(日)「しんぶん赤旗」

保育所 定員超過の上限撤廃

厚労省通知、4月実施 つめこみ拍車


 厚生労働省が、4月から認可保育所の定員を超えて子どもを受け入れられる上限を撤廃することが20日までに分かりました。同省は17日付で各都道府県に通知しました。年度当初から大幅に定員を超えた受け入れができることになります。


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(写真)お昼寝の準備で敷き詰められた布団=都内の保育園

 保育所の定員を超えた子どもの受け入れは「待機児童の解消」という名目で1999年に認められました。年度当初は定員の115%、年度途中からは125%までの範囲内で子どもの詰め込みを認めました。2001年からは、毎年10月以降の無制限の受け入れを認めました。

 今回の通知で115%、125%という上限を取り払います。

 定員を超す受け入れは子ども1人当たりの保育室面積などを定めた保育所最低基準の範囲内でやるとされてきましたが、実際にはすでに各地で最低基準を割り込む例が出ています。

 さらに民主党政権は「地域主権」の名で最低基準を原則撤廃し地方条例にゆだねる方向を打ち出し、東京などの都市部で面積基準のひきさげを容認することを盛り込んだ「地域主権推進一括法案」を今国会に提出する予定です。

 保育施設などの事故で重度障害を負ったり、亡くなった子の家族や支援する弁護士でつくる「赤ちゃんの急死を考える会」(櫛毛冨久美会長)の調べでは、毎年10月からの無制限の受け入れを認めた01年度以降、認可保育所での乳幼児の死亡事故が急増しています。

 自民・公明政権は保育所を新設するなどの待機児童解消の抜本的対策をとらず、詰め込みで対応してきました。通知は、民主党政権がこのやり方をいっそう進める姿勢であることを示しました。


 保育の最低基準 正式には「児童福祉施設最低基準」で児童福祉施設の守るべき最低の基準を、厚労相が定めます。「水準の向上を図ることに努める」とされています。1人当たりの面積は、2歳未満では乳児室1・65平方メートル、ほふく室3・3平方メートル、2歳以上では保育室1・98平方メートル、屋外遊技場3・3平方メートルが必要とされています。



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