2010年2月12日(金)「しんぶん赤旗」
教育費 全教など電話相談
授業料53万円払わないと卒業できない
不況 病気 家計を圧迫
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授業料や進学にあたっての学校納付金、教育費などの相談を受け付ける「授業料・教育費緊急ホットライン」が11日、全国教育文化会館(東京・千代田区)で行われました。主催は全教(全日本教職員組合)など。全国から128件(午後5時現在)の相談がありました。
電話相談は、昨年に続き2回目で、電話を2倍の6台に増設。教職員ら約40人が交代で対応しました。午前10時の受け付け開始時間を待ちきれず、20分前から電話が鳴りました。
相談内容は、どれも切実でした。
「最近、家を手放したばかり。1週間後の卒業式までに53万円の授業料を払わないと卒業させてもらえない。高卒でないと息子の進路先も変更せざるを得ない」(大阪府、私立高校3年生の父親)
「子どもが私立大学の1年生と3年生。奨学金を利用し、アルバイトもしているが、資産を処分しないと来年度の授業料が払えない」(三重県、私立大学生の父親)
「娘が私立高校に合格し、入学金だけは払った。脳出血で倒れ、現在の仕事は不安定。今後、授業料を払えるか心配」(奈良県、中学3年生の父親)
全教の本田久美子副委員長は「今回の相談内容をもとに、経済的理由で卒業や進学、入学ができない若者を出さないための施策を政府に要望したい。公私間格差是正のためにも私立高校の授業料無償化や、入学金、制服代、修学旅行費などを対象にした返済の必要のない給付制奨学金の創設も求めたい」と話しました。