2010年2月10日(水)「しんぶん赤旗」
厚労省研究班調査
薬害肝炎3割 退職・転職
半数が治療費負担100万円超
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「体力が続かない」「医師に言われた」と薬害肝炎の被害者の約3割が退職や転職を余儀なくされていたことが9日、厚生労働省の「薬害肝炎の検証及び再発防止に関する研究班」(分析研究者・片平洌彦=きよひこ=東洋大教授)の実態調査で分かりました。
調査は、片平教授のほか、山本由美子・東大院生や薬害肝炎訴訟原告団・弁護団の協力で初めて実施。血液製剤「フィブリノゲン」を投与されてC型肝炎に感染した被害者で、裁判所に薬害被害者と認定された1197人のうち、患者844人、患者遺族52人から回答を得ました。
病気を理由に、仕事を辞職または転職した経験を尋ねたところ、「ある」と答えた人が33%にのぼりました。
治療費の自己負担は、約半数が100万円を超えていました。
感染後の体験は、「人に話すときは病気のことについてはふれない」「元気なふりをする」「怠けていると思われる」と回答。差別と偏見に苦しんでいることが浮き彫りになりました。
遺族が肝炎感染の原因が薬害であることを知った時期は、6割が「死亡後」に知ったと答えています。