2009年12月26日(土)「しんぶん赤旗」
大分キヤノン
労働者、解雇無効訴え
派遣会社相手に労働審判
大分キヤノンの「派遣切り」により人材派遣会社テクノスマイル(本社・福岡県)から解雇された労働者3人が25日、同社を相手取り、解雇無効による地位確認、残契約期間の賃金支払いなどを求める労働審判を大分地裁に申し立てました。
申し立てを行ったのは、昨年11月に解雇され、大分県労連加盟の大分地域労組に加入する、大分市在住の40代と20代の女性2人と20代の男性1人。
3人は会社側と6回の団体交渉を行ってきましたが今年6月に突如、会社側が交渉を拒否。そのため話し合いによる解決手段を失い、現在は再就職もできず、生活に困窮しているといいます。
記者会見した代理人の今朝丸貴弁護士は、「今回の事件は、テクノスマイル社がキヤノン大分工場に派遣している自社社員の大量リストラを計画し、昨年11月7日から8日にかけて社員を一人一人社員寮の空き部屋に呼び出して退職の合意書へのサインを迫り、合計145人に退職を強要した派遣切り事件」としました。
会見に同席した40代の女性は、「キヤノンの工場で、カメラ部品の取り付けや検査を、1作業10秒、8時間立ちっぱなしで行っていた。若い人が目の前で倒れるのも見た。私たちは機械じゃない、と思いつつも頑張って働いたのに。会社の都合ばかりを聞かされて一方的に解雇された。会社側は話し合いに応じてほしかった」と訴えました。