2009年12月10日(木)「しんぶん赤旗」
防衛省
10年間599人天下り
塩川議員への答弁書で判明
政府は8日、日本共産党の塩川鉄也衆院議員が提出した「営利企業への再就職のあっせん及び天下りの規模に関する質問主意書」に対する答弁書を決定しました。その中で、個別の営利企業に対する天下りのあっせんの実態が初めて明らかになりました。
塩川氏が求めたのは、過去10年間に複数の再就職者がいる営利企業について、その営利企業ごとの再就職者の最終官職、府省庁によるあっせんの有無などです。
答弁書によれば、防衛省の場合、過去10年間に複数の再就職者がいる営利企業は119社、再就職者は599人になります。そのうち、防衛省によるあっせんの有無は、有りが195人、無しが291人、不明が113人となっています。
再就職者数が上位の10社には、日本の代表的な軍事企業が顔を連ねています(表)。あっせんの有無は、不明を除くと、有りが53・3%と上位10社では5割を超えており、防衛省と軍事企業の癒着ぶりを物語っています。
その一方で、あっせん無しも半数近くを占めています。鳩山内閣は、天下りの定義を「府省庁からのあっせんを受けて再就職すること」としており、防衛省からの営利企業への再就職の半数近くが「天下り」に該当しないことになります。官民の癒着を断ち切るには、あっせんの有無にかかわらず、営利企業へ天下りそのものを禁止することが必要です。
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