2009年12月8日(火)「しんぶん赤旗」
「6カ国協議」復帰説得へ
米代表 きょう訪朝
北、平和協定締結求める
米国のボズワース北朝鮮政策担当特別代表が8日、平壌を訪問し、北朝鮮に6カ国協議への復帰を働きかけます。米朝2国間の高官対話はオバマ政権下で初めて。北朝鮮は朝鮮戦争の停戦協定を平和協定に代える「敵視政策の撤回」を求めており、6カ国協議復帰に向けてどのような態度を示すか注目されます。(面川誠)
共同声明の履行
ボズワース氏は3日、「北朝鮮は米朝2国間協議を期待しているようだが、あくまでも6カ国協議が基本。訪朝の目的は6カ国協議を再開することだ」と強調しました。
同氏は7日、訪朝に先立ち韓国を訪問し、魏聖洛(ウィ・ソンラク)朝鮮半島平和交渉本部長(6カ国協議の韓国首席代表)らと米朝協議の議題について最終調整。米朝協議の議題が「6カ国協議の再開」と「2005年9月の共同声明の履行」だと確認しました。
また、北朝鮮側が6カ国協議復帰の条件として平和協定締結と米朝国交正常化を持ち出す可能性について、北朝鮮が6カ国協議に復帰し「後戻り不可能な非核化」に踏み出せば、北朝鮮の要求も受け入れた「包括的措置(一括妥結)」も論議できるとの立場を確認したといいます。
米朝協議に固執
北朝鮮は4月に6カ国協議からの離脱を表明し、5月には2回目の核実験を強行。しかし、10月に訪朝した中国の温家宝首相に対し、金正日(キム・ジョンイル)総書記は「米国との協議の状況を見て、6カ国協議を含む多国間協議を行いたい」と言明しました。
その一方で北朝鮮は、11月に黄海上で韓国軍艦船と銃撃戦を展開。「朝鮮半島に存在する戦争の危険は、米国がわが国に対する敵視政策を撤回し、停戦協定を平和協定に代えてこそ根源的に解決される」(労働新聞11月23日付)として、機会をとらえては米朝2国間協議に持ち込もうとしてきました。
ボズワース氏は「北朝鮮が望むなら、2国間対話でも多国間対話でも可能だ。しかし、米国は多国間対話の原則を無視した2国間対話を行わない」と言明。日中ロも6カ国協議の早期再開を望む立場を表明しています。
ボズワース氏は訪朝期間中、姜錫柱(カン・ソクジュ)第一外務次官らと会談。10日に韓国に戻った後、中国、日本、ロシアを歴訪する予定です。
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