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2009年11月21日(土)「しんぶん赤旗」

数の横暴に道理なし

共産党、正常運営求め奮闘

穀田国対委員長に聞く


 現在の国会の状況と日本共産党が果たしている役割について20日、穀田恵二国対委員長に聞きました。


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 与党・民主党は、新政権の最初の法案の審議でいきなり強行採決に走り、国会に不正常な事態を生み出しました。これでは、これまでの自民党・公明党が与党の時代に行ってきた数の力による横暴極まりない国会運営とどう違うというのでしょうか。断じて許されるものではありません。

 事の発端は、中小企業金融円滑化法案をめぐって起こりました。それまで円満な運営が行われていた衆院財務金融委員会の理事会で18日夕、民主党幹事長の「指令」を受けた同党の理事が、突如として翌19日の参考人質疑後に審議を打ち切って採決し、本会議に緊急上程することを提案したのです。

堂々と論陣

 参考人の意見を聞いた後、それを踏まえて審議をさらに深めていくのではなく、直後に採決するというのでは、なんのために参考人=国民の意見を聞くのかわかりません。自公政権のときにも同じような事態があり、厳しく抗議していた民主党が同じことをやっているのです。

 日本共産党はこうしたことに道理はないと説き、横路孝弘衆院議長にも、旧政権の時代でも公聴会の前に採決日程を決めたため大問題になり、委員会に差し戻したことがあることにもふれながら、「少なくとも財務金融委員会に差し戻し参考人質疑にもとづく質疑を行うべきだ」と申し入れました。

 自公両党は財金・議運両委員長の解任決議案を提出しました。

 日本共産党は19日夜に始まった本会議で、この解任決議案に与党・民主党に猛省を求める立場から賛成するとともに、与党の横暴に厳しく抗議。法案の中身の面からも審議はこれからだと堂々と論陣を張りました。

 しかし、民主党は19日夜、いっそう乱暴な運営に踏み出したのです。全党合意による委員会開催と慎重な審議を提起する日本共産党議員の意見に耳を貸さず、政府提出法案がかかるすべての委員会を委員長職権で立て、採決、本会議上程する日程を組みました。

 20日未明の議院運営委員会で共産党は、このような国会運営は「歴史に汚点を残すものだ」と厳しく批判。深夜の党代議士会で、異常な運営には厳しく抗議するとともに審議権は行使する決意を固めあい、20日朝の各委員会の理事会でも自公欠席のもとで孤軍奮闘。委員会でも各議員が民主党の横暴な議会運営に徹底的に抗議するとともに、法案の中身についてもしっかり質問を行いました。

自公も問題

 その後も、与野党国対委員長会談を求めるなど、事態を正常化させるために強く働きかける中で、採決を強行するための本会議の開催は見送られました。

 一方で各委員会の理事会を欠席している自公の態度も問題です。自民党は、国家公務員給与法改定案の本会議質疑を自分たちで求めておいて、その質疑のさいには欠席。堂々と質疑を行った日本共産党とは対照的です。

 ここには、30日の会期末までにとにかく法案を通そうという与党・民主党と、「法案を一つも通さない」とする自民党、国民の立場にたって行動する日本共産党との立場の違いがあらわれています。

 そもそも日本共産党は、この国会に入るにあたって、まず一番大事なのは命の問題だと訴えてきました。肝炎患者や被爆者を救済する法案を最優先にして、政府提出法案では、生活関連の中小企業や新型インフルエンザ関連の法案の審議を急ごう、あわせて緊急性が求められる失業対策や雇用問題なども幅広く議論しようと提起してきました。

 国民がいま何を求めているのか。いまの不正常な状態を打開するための糸口もそこにあると考えます。


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