2009年10月23日(金)「しんぶん赤旗」
“難病指定急いで”
脳脊髄液減少症患者ら訴え
交通事故やスポーツ外傷などの強い衝撃で脳脊髄(せきずい)液がもれ、激しい頭痛やめまいなどに襲われる難病「脳脊髄液減少症」をめぐって、轟智恵さん(大分脳脊髄液減少症患者を支援する会・代表)と娘で患者の愛(まな)さんは22日、厚生労働省健康局疾病対策課の担当者らと面会し、同症の難病指定や必要な助成などを強く求めました。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員、用松律夫・宇佐市議が同席しました。
愛さんは13歳の時、男子生徒がけったボールが側頭部を直撃し、発症しました。自殺未遂を起こすほど症状に悩みました。
治療に有効とされる「ブラッドパッチ療法」は保険適用外。1回30万円の負担がかかり、「(患者の)実態を知ってほしい」と涙ながらに訴えました。
智恵さんによると、最近でも自殺でなくなった若い女性の患者もいるといいます。「治療費を払える人はまだいいが、受けられない人は、一生を棒に振る。難病指定をしてほしい」と、患者負担の軽減を強く求めました。同省担当者は「真しに(患者の)訴えを聞いて努力したい」とのべました。
全国30万人の患者がいるとされる同症。一方で、診断基準の作成や、治療法の確立などにあたる研究班は、登録患者の症例100を目指しながら、いまだ「24症例」にとどまっていることが判明。数字は今年3月末時点で、半年間、同省として進捗(しんちょく)状況すら把握していないことが分かりました。同研究班は、年2500万円の補助金が使われています。