2009年10月20日(火)「しんぶん赤旗」
「保育料徴収は保育所で」
厚労省が制度改定を提案
福祉の「商品」化ねらう
厚生労働省は19日、保育制度改悪の詳細設計を議論している保育第一専門委員会(大日向雅美委員長)で、新しい制度では、現在市町村が行っている保育料徴収を保育所が行うことを提案しました。現在、市町村が保育所に出している運営費は、市町村が利用者個人に給付することを基本とし、保育所が代理受領する仕組みに変えます。
同省の担当者は「代理受領という形で保育所にお金が入るのだから、現行と同じ現物給付だ」などと、制度を変えても大きな変化は生じないと主張しました。
ただ、委員長代理の岩村正彦東大教授は、利用者がサービス提供者に利用料を払う仕組みとすることで「提供者側には“お金をもらう以上それに見合うサービスをしよう”という動機付けを、利用者側には“払ったお金に見合うサービスを受けよう”という権利意識を強める効果がある」と解説。保育を、行政が提供する福祉からお金で売買する「商品」に変える制度改悪の本質が浮かびました。
保育3団体は「『機関補助から利用者補助へ』というのは規制改革会議がずっと求めてきたことだ」(全国私立保育園連盟)などと猛反発しましたが、大日向委員長は「現行制度では潜在化している保育ニーズに応えられない。保育事業者は建設的な意見を出してほしい」と述べました。
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