2009年10月7日(水)「しんぶん赤旗」
6カ国協議
米朝協議後、復帰も
金総書記、中国首相に表明
【北京=山田俊英】北朝鮮の金正日(キムジョンイル)朝鮮労働党総書記は5日、平壌で温家宝中国首相と会談し、米朝2国間を先行させることを条件に「米国との協議の状況を見て、6カ国協議を含む多国間協議を行いたい」と言明しました。中国外務省が発表しました。
金総書記は「米国との2国間協議を通じて両国の敵対関係を平和的な関係に変えることが必要だ」と述べました。また「朝鮮半島の非核化は金日成(キムイルソン)主席の遺訓であり、非核化実現というわれわれの目標に変わりはない」と強調しました。
金総書記の発言について米国務省のケリー報道官は同日の記者会見で「われわれは6カ国協議の目標実現につながるいかなる対話も促進する」と前向きな姿勢を示しました。
北朝鮮は同国の核問題を話し合う6カ国協議から4月に離脱を表明し、「二度と永遠に出ない」とまで言明。5月に核実験を強行しました。6カ国協議議長国、中国の働きかけで今回、交渉復帰の可能性を表明するに至りました。
ただ、金総書記は米朝協議の「状況を見て」と条件をつけ、6カ国協議以外の枠組みをつくることにも含みを持たせました。6カ国協議の再開にはまだ曲折が予想されます。
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