2009年8月28日(金)「しんぶん赤旗」
「2200億円削減」を中止
10年度 厚労省の概算要求
厚生労働省は27日、2010年度予算の概算要求を発表しました。一般会計総額は前年度比1兆2565億円(5%)増の26兆4133億円です。
社会保障費については、02年度から8年間続けられ世論の厳しい批判を浴びてきた自然増分2200億円削減路線を10年度に限って「撤回」。1兆776億円の自然増分をそのまま上積みし、24兆8624億円を要求しました。
後期高齢者医療制度や障害者自立支援法、母子加算の廃止など、この路線の中で改悪された制度を元に戻す施策は示されませんでした。
ただ、総選挙結果によって、年末に向けての予算編成で大きく変わる可能性があります。
新型インフルエンザ対策としては、ワクチン買い上げに新たに60億円を計上。患者を受け入れる一般医療機関への国庫補助など総額207億円(前年度比63億円増)を盛り込みました。
失業率悪化への対応では、雇用と住居を失い就職活動を行う人に最長6カ月の住宅手当を支給するとして新たに323億円を計上しました。
医師や看護師の確保に498億円(同27億円増)、救急医療・周産期医療体制の強化などに618億円(同152億円増)を盛り込みました。
女性特有のがんの無料検診などがん対策には453億円(同216億円増)、難病対策の推進には1637億円(同179億円増)を求めました。
医療・年金・介護の個人情報を一元管理して給付抑制に使われる恐れがある社会保障カード導入にも9億8千万円(同5億9千万円増)を要求しました。