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2009年8月23日(日)「しんぶん赤旗」

交渉再開へ動き加速

北朝鮮と米中韓が接触

6カ国協議復帰、核放棄がカギ


 南北関係の改善に動き出した北朝鮮はこの間、米中とも相次いで接触し、公式対話と交渉の再開に向けた動きが加速しています。北朝鮮は米朝関係正常化や経済支援の再開などを望んでいますが、5月に2回目の核実験を強行したことを受け、国連安保理は制裁強化決議の採択で北朝鮮への措置を強化。交渉の再開と前進のためには、北朝鮮が6カ国協議に復帰して、核放棄の国際公約を再確認することがかぎとなります。(面川誠)


 韓国と北朝鮮は、22日に北朝鮮の弔問団が玄仁沢(ヒョン・インテク)統一相と会談。米朝はクリントン元大統領の訪朝に続き、19日には北朝鮮の国連代表部の外交官が、オバマ米大統領とも近いリチャードソン・ニューメキシコ州知事と会談しました。北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の議長、武大偉・中国外務次官は17日から21日まで北朝鮮を訪問し、6カ国協議首席代表の金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官らと協議しました。

対話再開の意欲

 2007年12月から6カ国協議が中断している中で、北朝鮮が対話再開の意欲を示したことは明るい材料です。一方で、各国との間の溝は深いままです。

 韓国統一省所属の統一研究院は最近の報告書で、北朝鮮が核実験やミサイル発射を強行した直後に対話の意思を表明したことについて、「以前とは違う新たな前提条件」で対話に臨もうとしていると指摘します。新たな前提条件とは、▽核兵器保有国としての地位▽濃縮ウラン開発の推進▽非核化なしの米朝関係正常化―だといいます。これらは、他の6カ国協議参加国は受け入れがたい条件です。

 北朝鮮は「6カ国協議は制裁強化を生んだだけ」と主張。一方の米国は、6カ国協議への復帰を求めながら、非核化の方法は変えようとしています。これまでのような際限のない段階設定では、いつ非核化が達成できるかわからない上に、北朝鮮の核開発を前進させてしまった―と考えているからです。その立場から7月末にはクリントン国務長官が、課題の一括解決をめざす「包括的措置」を提案しました。

外交解決へ説得

 これまで北朝鮮は、核・ミサイル開発で危機をつくり出し、米国との取引に持ち込もうとする「瀬戸際外交」を繰り返してきました。しかし、2回目の核実験後には、最大の貿易相手国である中国も国連安保理の制裁強化決議に賛成するなど、北朝鮮は「瀬戸際外交」によって自らを孤立に追い込む形になっています。

 米中韓などは制裁と並行して、北朝鮮に6カ国協議へ復帰し外交解決に向かうよう説得に力を注いでいます。



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