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2009年8月16日(日)「しんぶん赤旗」

共産党の躍進が新しい政治実現のカギ

党の理念や政策 小池政策委員長が語る

CS「ニュースの深層」


 日本共産党の小池晃政策委員長は14日夜、CS放送・朝日ニュースターの生トーク番組「ニュースの深層」に出演し、党の理念、党名問題から、総選挙にむけ打ち出した「二つの旗印」の特徴、選挙の争点になっている財源論など、多様なテーマで約50分間にわたりインタビューにこたえました。

 番組の冒頭、キャスターの辻広雅文氏(ダイヤモンド社論説委員)が、自民党、民主党以外の政党にも勢力を伸ばしてほしいという人が54%もいるという朝日新聞の世論調査結果を紹介。「マスコミの伝え方とこの結果はちょっとずれている。どう考えていますか」と問いかけました。

 小池氏は、自民、民主ともに、経済・外交の根本政策であまり違いがないという有権者の思いが、この結果になっているとのべ、「そういう思いにこたえてがんばりたい」と決意を表明しました。

未来社会へのロマンもち

 辻広氏が「若い人たちの間では共産主義とか社会主義にリアリティーがない」と切り出し、「共産主義とは何か、共産党は何でそこをめざすのか」と質問し、小池氏は次のように語りました。

 「今度の総選挙で(共産主義の問題を)訴えているわけでありません。日本は、資本主義のなかでも、ヨーロッパなどに比べ、労働者を守るルール、国民の当たり前の権利を守るルールがなさすぎるので、そこを正していこうというのが私たちの(総選挙での)主張です。同時に『資本主義の限界』ということもいわれていますが、企業の利潤追求の行動だけに任せておいたら、金融投機の問題、地球温暖化の問題もコントロールできなくなる。やはり未来永劫(えいごう)、資本主義社会が続くのではなくて、将来は、経済の面でも民主主義を徹底するような世の中がくるのだという方向性を持っています。こうした未来社会へのロマンをもってがんばっているからこそ、現実の問題でもぶれずにがんばることができるのです」

ルールある経済社会をめざし

 辻広氏は次に、フリップで日本共産党が掲げる二つの旗印―「ルールある経済社会を築く」「自主・自立の平和外交」を示し、「このことを唱える人は自民党にも民主党にもいない」と指摘。「共産党のいう、守られていないルールとは何ですか」と質問しました。

 小池氏は、有給休暇を守ったり均等待遇を保障するなど雇用のルール、医療費の窓口3割負担、中小企業いじめなどを挙げ、「日本はあまりにも国民のくらしや権利を守るルールがなさすぎるので『ルールある経済社会』をと問題提起している」とのべました。

 辻広氏はまた、アメリカもヨーロッパも自由主義・市場経済をやっているのに、ヨーロッパでは雇用のルールが守られており、アメリカとは違うと語りました。

 小池氏は、アメリカとヨーロッパでは労働者のたたかいの歴史の違いがあると説明。日本ではアメリカ型の経済の仕組みのなかで労働者の基本的な権利が守られず、「この間の新自由主義的な動きのなかで壊滅的になった」との考えを示しました。

 辻広氏はさらに、経済を強くするには企業側を強くしないといけないのではないかと質問。小池氏はこう答えました。

 「サプライサイド(供給側=企業)強化を一貫してやってきたのが、これまでの日本の経済政策で、あまりにも偏重しすぎました。それをさらに加速させたのが小泉・竹中『構造改革』です。正社員の首をきって非正規におきかえる、社会保障を切り刻む、国民のもっている力が落ち込むなか、大企業支援をやり続けたことが非常にゆがんだ経済にしてしまった。輸出産業を否定するわけではないけど、内需がしっかりしてこその輸出産業だし、中小企業がいきいきと経済活動をやってこそ大企業の活動も発展します」

自主・自立外交非核の日本へ

 話が外交問題に移り、「外交での強調点は?」と問われた小池氏はこうこたえました。

 「核問題です。オバマ米大統領の演説で、核廃絶が世界の動きになり始めました。唯一の被爆国として、核廃絶を後押しする積極的な外交をやっていくべきだし、核密約も問題になっていますので、これを洗いざらい明らかにして、文字どおりの『非核の日本』にすることです」

 加えて小池氏は、核廃絶について選挙マニフェストで一言も触れない自民党、核抑止論から抜け出せない民主党の姿勢を指摘。そのうえで、核兵器保有国が核兵器廃棄をめざす国際交渉を行うことなど、核兵器廃絶にむけた具体的な方策を紹介しました。

 ルポライターの横田由美子さんが「日本が核をもたないことで北朝鮮も(持たないと)納得してくれるのかという疑問があります」と質問。小池氏は次のようにこたえました。

 「核を持って対峙(たいじ)する、アメリカに核で守ってもらうことは、北朝鮮に核開発の口実を与え、悪い方向にエスカレートさせるだけです。被爆国日本は、核を持たないことをアイデンティティーにして堂々と訴え迫っていく、その方が強い態度で臨めます」

建設的野党の値打ち発揮へ

 番組の最後で辻広氏は、総選挙を経て民主党政権になる確率が高いとし、「日本政治の歴史において自民党から他の政党に政権が移る意味はなんでしょうか」と問いました。

 小池氏は、「自民党、公明党の政治が終わることは掛け値なしに良いこと」とのべたうえで、「問題は、新しい政治の中身です。それが国民の思いに応えられるのかどうかは、共産党の議席がどれだけ増えるかにかかっている」として、党の躍進が新しい政治実現のカギであることを強調し、次の言葉で締めくくりました。

 「(総選挙後は)おもしろい国会になると思います。民主党中心政権だと、野党は自民、公明と日本共産党。自民・公明は後期高齢者医療制度廃止など良いことに反対し、憲法の改悪など悪いことに賛成する、最もたちの悪い野党になります。それに対してわれわれは国民の願いを実現するよう民主党によびかけるとともに、悪いことにはきっぱり反対する建設的な野党になります。共産党の役割、値打ちがいっそう大きくなると思います」



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