2009年8月6日(木)「しんぶん赤旗」
米朝「対話で懸案解決」確認
6カ国協議復帰がカギ
4日のクリントン元米大統領と金正日(キム・ジョンイル)朝鮮労働党総書記の会談では、「米朝間の懸案問題」を「対話で解決していくことで見解が一致した」といいます(朝鮮中央通信)。米朝対話を望む北朝鮮が今後、6カ国協議への復帰を決断するかどうかが注目されています。
北に「二つの道」
「記者2人の釈放と核問題の交渉を関連付けない」「訪朝前に釈放の確約を取り付ける」。オバマ政権がクリントン氏の訪朝を承認した条件です。
米政府高官が4日、ワシントンで記者団に述べたところによると、まず北朝鮮がクリントン氏の訪朝を要請。クリントン氏はオバマ政権の条件を受け入れた上で、「人道上の個人的な訪朝」という形式を守ることを約束したといいます。
「6カ国協議の枠内以外での米朝2国間対話をしない」というオバマ政権の原則を守りながら、実質的な対話を実現させるための方法でした。
オバマ政権は、北朝鮮が対話の場に復帰するだけでは見返りを与えない、という姿勢を明確にしています。米政府高官は「北朝鮮には二つの道がある。挑発的な行為を続けて国際的な孤立をいっそう深めるか、非核化のための6カ国協議に復帰するかだ」と強調しました。
2国で解決不能
ケリー米上院外交委員長は4日、記者釈放を歓迎する声明を発表し、「米国は6カ国協議を通じた関与を望んでいる」と指摘。非核化に向けた対話のすみやかな再開を呼びかけ、「この機会を逃してはならない」と強調しました。
韓国の李明博(イ・ミョンバク)政権下で対北朝鮮政策立案に関与している尹徳敏(ユン・ドンミン)外交安保研究院教授は、ロイター通信に「北朝鮮が交渉の新たな局面につながる劇的な方向転換をする可能性がある」と述べ、米朝対話のために北朝鮮が6カ国協議に復帰することもあり得ると指摘しました。
中国共産党中央党学校の張璉瑰(ちょうれんかい)教授は同通信に「米朝2国間だけで問題解決はできない。米国は拒否するだろうし、北東アジアの国々も受け入れない。米朝2国間対話が北東アジアの安保問題を扱えば、韓国と日本は受け入れないだろう。中国が外されれば、やはり否定的な反応を示すだろう」と語っています。(面川誠)
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