2009年7月26日(日)「しんぶん赤旗」
子の未来へ頑張り時
保育解体に待った
全国保育合研が開幕
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第41回全国保育団体合同研究集会が25日から3日間の日程で大阪府内で始まりました。よりよい保育、ゆたかな子育てをめざして、大雨の降る中、1万人を超える保護者、保育士、地域の人たちの交流がスタートしました。
大阪市此花区の舞洲(まいしま)アリーナで開かれた全体会のオープニングは、男性保育士とお父さんによる勇壮な三宅太鼓で幕が開きました。保育園児700人、保護者・保育士500人以上の総勢1200人超による歌が会場に響きました。
開会あいさつでは、全国実行委員会委員長で静岡大学教授の渡邉保博さんが「保育所に入りたくても70人待ちとなっているところもある」と保育所のニーズがかつてなく高まっていることを指摘し、「公的責任において充実が求められているのに、国はそれを放棄しようとしている」といまの保育制度解体の動きを批判。「かけがえのない子ども時代をどの子も豊かに過ごせるために何が必要なのか、学びあい、共同の力でそれを求めていきましょう」と訴えました。
開催地実行委員長で大阪保育運動連絡会会長の中山徹さん(奈良女子大学准教授)は、「この10年、保育制度が審議されて、改悪の方向で進んできた。いきつく先は保育制度解体は明確」と話しました。とくに政府が、高齢者、障害者、医療などの福祉の財源はすべて消費税に一本化しようとしていることを指摘。「この政治を変えることができれば、保育制度解体に待ったをかけられる。1カ月後の総選挙は政治の流れを変えるチャンスです」と訴え、「あす、あさってで大いに学びあい、公的保育制度を守る大きな力をつくっていきましょう」と呼びかけました。
福岡市から参加した女性(38)は、「消費税の話はこわいなと思いました。これではもう福祉といえない。子どもを育てる保育に国はもっともっとお金をかけてほしい」と話していました。
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