2009年7月1日(水)「しんぶん赤旗」
臓器法案 参院審議入り
移植例の検証求める
小池議員
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参院厚生労働委員会は30日、一律に「脳死を人の死」とし、年齢制限(現行法で15歳以上)なしに臓器提供を可能とする臓器移植法改正案(A案)と、日本共産党と野党有志が対案として提出した「子どもの脳死臨調設置法案」の趣旨説明と参考人質疑を行い、実質審議に入りました。
厚労省の上田博三健康局長と、「脳死下での臓器提供事例に係る検証会議」座長の藤原研司氏が意見陳述しました。
日本共産党の小池晃議員は、WHO(世界保健機関)が渡航による臓器移植を制限する方向でガイドラインを変更するといわれていることについて、「WHOの改定でいわれているのは、金銭売買や強制を伴う移植であり、海外に行って臓器移植を受けることを抑制する趣旨ではないのではないか」と質問。上田局長は「WHOの決定がされても、渡航移植をまったく禁止するものではないだろう」と答えました。
小池氏は、1997年の臓器移植法施行後、臓器移植は81例行われているが、脳死判定要件をきちんと満たしていたのかなどの検証は55例にとどまっていることを挙げ、「検証作業をきちんとやってほしい」と求めました。また、「55例のうち、公開されているのは34例だけだ。プライバシーに配慮しながら、できる限り検証結果を国民に公開するのが大事だ」と述べました。