2009年6月23日(火)「しんぶん赤旗」

医療・介護 幅広く交流

民医連共同組織が集会


 「核兵器廃絶、医療・介護の再生」を掲げて全日本民医連共同組織活動交流全国連絡会は21、22の両日、長崎市で第10回全国交流集会を開き、1500人を超す人が参加しました。336万人(世帯を含む)に発展した共同組織の取り組みが報告されました。

 「中学生対象に青年医師の話を聞く進路探険・医師講座を開いている。医師会代表も参加し激励、稚内市の支援事業にもなっている」(北海道・宗谷健康友の会)

 「国の圧力をはねのけ無料・低額診療事業に4月から取り組んでいる」(山形・庄内医療生協)

 「学習と幅広い組織との共同を大切にして後期高齢者医療制度廃止運動を進め、会員数の3・6倍、7万7千人分の署名を集めた」(東京・三多摩健康友の会)

 「楽しい組合員運動を大切にして収支も黒字にしている。健康診断を重視し60歳以上は無料で実施している」(大阪・医療生協かわち野)など各地の経験が生き生きと紹介されました。

 広島で被爆し、被爆者の治療・支援を続けてきた全日本民医連顧問の肥田舜太郎さん(92)が講演。田上富久長崎市長が「米大統領が核兵器廃絶への訴えを出すなど情勢は転換期。力を合わせ運動を進めましょう」とあいさつしました。

医療再生 広く共同

「ルネッサンス起こそう」

分科会

 交流集会では九つの分科会が開かれ、「地域医療を守る取り組みと医療・介護の再生」の分科会で、全日本民医連副会長の堀毛清史さんが講演しました。

 堀毛氏は、高血圧で緑内障の茨城県在住の男性(53)が失業し、受け入れ先を求め故郷の北海道の病院に3日絶食、無一文でたどり着いた例を紹介し、失業、貧困、病気、ホームレスが連鎖していると指摘。国の社会保障費削減、病院つぶしが行き場のない多くの人をつくっていると話しました。

 しかし、崩壊一路ではなくさなざまな病院、開業医、地域住民、行政が大同団結して地域医療・病院を守る運動が各地で起こっていることを示し、「日本再生と地域再生を車の両輪にして、共同を広げ医療ルネッサンスを起こそう」と訴えました。

 各地の取り組みが報告されました。▽医療関係者、婦人団体、年金者組合、労働組合など幅広い人たちで「地域の医療・介護を考える会」を作って活動している(千葉・船橋)▽道立病院縮小・廃止の動きに、「守る集い」を開き、地域住民、院長、近隣地域の医師など550人が参加した(北海道・江差)―など共同の発展が紹介されました。



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